特定登記未了土地に関する相続登記等の特例
平成30年(2018年)11月15日より、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法が施行。
(概要)
「特定登記未了土地」に「相続登記等」が未了の場合、起業者(土地収用法第8条1項)の求めに応じ、登記官が相続関係を調査する。
調査の結果、「長期相続登記等未了土地」に該当する場合、登記官は、所有権の登記にその旨及び法定相続人情報の作成番号を付記登記する。
また、登記官は、相続人に対し、相続登記等の勧告をすることができる。
調査対象となる土地
(特定登記未了土地)
所有権の登記名義人の死亡後に「相続登記等」がされていない土地のうち、土地収用法3条各号に掲げるものに関する事業その他の公共の利益となる事業の円滑な遂行のため、当該土地の所有権の登記名義人となり得る者を探索する必要があるもの。
(相続登記等)
相続による所有権の移転の登記その他の所有権の登記。
(要件)
・対象土地が「特定登記未了土地」に該当する。
・所有権の登記名義人の「死亡後30年間」「相続登記等」がされていないと「認める」とき。(調査してみないと判明しない)
「長期相続登記等未了土地」に該当する場合
(登記官の対応)
- 「法定相続人情報」を作成する。
- 職権により、所有権の登記に付記登記をする。
- 「長期相続登記等未了土地」である旨、法定相続人情報の作成番号(12桁)
- 後日相続登記等がなされた場合は、付記登記を職権で抹消する。
- 相続人に対し、相続登記等の申請を勧告「できる」。
(長期相続登記等未了土地)
「特定登記未了土地」に該当し、かつ、当該土地の所有権の登記名義人の死亡後30年間を超えて相続登記等がされていない土地。
(法定相続人情報)
相続相続情報一覧図と異なり、数次相続が発生していても、最終の相続人まで一覧性のあるものが作成される。
順次12桁の「作成番号」が付される。
相続人の全部または一部が判明しないときはその旨が記載される。
被相続人の最後の住所、相続人の住所については、判明すれば記載されるが、判明しなければ記載されない。
(勧告された相続人からする相続登記)
- 戸籍除籍謄抄本
- 法定相続人情報に、「相続人の全部または一部が判明しない」旨の記載がなければ、作成番号を提供すれば、戸籍除籍の謄抄本の添付は不要。
- 登記名義人となる相続人の住所証明情報
- 法定相続人情報に、当該相続人の住所が記載されている場合であれば、作成番号を提供すれば、住所証明情報の添付は不要。