相続放棄についてあれこれ

相続放棄に関するお話をいくつかあげてみました。
これらはあくまで一般的な事項ですので、不安な部分がある方は、司法書士に相談されることをお勧めします。

相続放棄に関する注意事項

「相続を放棄する」という意味を正しく理解する

現在の法律では、生前に絶縁状態であったとしても、親族関係があることにより強制的に相続させられてしまいます。

それでも相続することを望まない方のために、相続放棄の手続が用意されています。

これを誤解している方がとても多いのですが、
他の相続人に対して「自分は放棄するよ」と伝えただけでは、法律上の相続放棄をしたとは言えません。その後も相続人としての義務を負い続けますので注意が必要です。

相続人としての義務を負わないようにするためには、一定の時期の間に、家庭裁判所へ相続放棄の申述をする必要があります。

相続放棄のやり方、それに伴いどのようなことを考えておくべきかなど、不安に感じておられる方はぜひご相談ください。


期間に気をつける(※特に戸籍の収集に時間がかかる場合)

相続放棄ができる期間は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」(※詳細は割愛)に限られています。

相続放棄の申述には、相続関係を証明できるだけの戸籍(除籍)謄本を添付する必要があります。

親子の場合などの単純な事案だと苦労することは少ないと思いますが、事案によっては、戸籍(除籍)の収集に時間がかかることも少なくありません。

くれぐれも「戸籍をゆっくり集めていたら3ヶ月が過ぎてしまった…」などということのないようにしてください。


なお、必要な戸籍の範囲は、事案により異なります。

例えば、亡くなった方の債務を相続人全員(次順位相続人含む)が放棄するような事例の場合、少なくとも被相続人(亡くなった方)について、出生~死亡までのすべての戸籍を集める必要があるでしょう。

しかし、戸籍は本籍地の市町村ごとでしか発行されないため、住所地と本籍地が異なる場合は、他の市町村から取り寄せる必要がありますが、遠隔地の市町村から必要な戸籍を集めていく作業は、慣れない方にはとても負担が大きいと思います。

例えば、大阪(親の本籍地)で生まれて、神戸市で婚姻して本籍を置き、鳥取県米子市に転籍してから死亡したような場合、このように3つの市町村から戸籍を取り寄せる必要があります。
  ・出生~婚姻まで → 大阪市
  ・婚姻~転籍まで → 神戸市
  ・転籍~死亡まで → 米子市

戸籍自体の仕組みも一見分かりづらく、ご自身で戸籍を集めてこられた方でも、結構な割合で、必要な戸籍が不足していたりします。
また、傍系の戸籍を請求する場合、市町村窓口の対応が担当者次第のところがあり、そのせいで混乱するケースもみられます。

また、古い戸籍は手書き(筆)で書かれているので、せっかく戸籍を集めたのに書かれている字が読めず解読できない、ということも珍しくありません。
「自分は婿養子だから相続人だ」と思っていたら、被相続人と養子縁組をしているわけではなかったため相続人ではなかった…など、思い違いもありますので、法律上の相続関係は戸籍からしっかり確認する必要があります。

このようなことをご自身でするのは難しい、気が重い、とお困りの際は、ぜひご相談ください。


遺産には手をつけない(法定単純承認に気をつける)

相続放棄をするということは、プラスの財産もマイナスの財産も一切承継しないことが前提です。

しかし、相続放棄をするかどうかの熟慮期間中に、相続することを前提としなければできないような行為(預貯金を解約して受取る、資産の不動産の家賃を請求して自分の財産にする、など)をした場合、相続を承認したものとして相続放棄ができなくなってしまいますので、くれぐれもご注意ください。


Q&A

・相続開始後3ヶ月が経過している場合には、もう相続放棄はできないのでしょうか?

・親が子供の借金を相続しましたが、支払う必要があるのでしょうか?

・離婚した親の借金を相続しましたが、支払う必要があるのでしょうか?

・鳥取県外の家庭裁判所への相続放棄を依頼したいのですが?

・未成年の子についての相続放棄を行いたいのですが?