相続登記を司法書士に依頼するメリット

相続登記を司法書士に依頼した場合、次のようなメリットが得られると思います。

1.登記記録の状況がより正確に把握できる

  • 亡くなった方の名義の不動産であっても、固定資産税の納税通知書に載っていない不動産や持分(通路部分など)が存在する場合がありますので、ご依頼により、調査・確認等を行っています。
  • 漏れてしまった物件についてはあらためて相続登記をしなければならず各相続人にとって二度手間になりますし、時間が経ち過ぎると、あらためて相続手続を進めることが難しくなることもありますので注意が必要です。
  • また、登記記録を確認すると、大正・昭和初期のころに登記された古い抵当権や買戻権などの記録が見つかることもあります。これらは放置しておくと手続が複雑化してしまいますので、早めに発見して抹消しておく必要があります。


2.戸籍などの収集が楽(依頼される方が多いです)

  • 相続関係を確認するために、戸籍を集める必要がありますが、司法書士に依頼することで、必要な戸籍をスムーズに集めることができます。
  • ケースにもよりますが、ご自身で集めると、なかなか大変な場合があります。
    • 相続関係を証明するためには、原則として、被相続人(亡くなった方)について、出生~死亡までのすべての戸籍を集める必要がありますが、戸籍は本籍地の市町村ごとでしか発行されないため、住所地と本籍地が異なる場合は、他の市町村から取り寄せる必要があります。
    • 例えば、大阪(親の本籍地)で生まれて、婚姻して神戸市に本籍を移し、鳥取県米子市に転籍してから死亡したような場合、このように3つの市町村から戸籍を取り寄せる必要があります。
        ・出生~婚姻まで → 大阪市
        ・婚姻~転籍まで → 神戸市
        ・転籍~死亡まで → 米子市
  • 戸籍自体の仕組みも一見分かりづらく、また、市町村窓口の対応も担当者次第のところがあり、そのせいで混乱するケースもみられます。
  • また、亡くなった方の登記記録上の住所が、死亡時の住所ではなく昔の住所の場合、それらのつながりを全て証明していく必要があります。
    • こちらも困難なケースが散見され、場合によっては法務局と協議する必要があります。
  • 自分で戸籍を集められるだけ集めたので残りの収集をお願いします、とおっしゃる方もおられます。費用対効果でご検討いただく価値があるといえるでしょう。


3.相続関係が正確に把握できる(自分で古い戸籍を解読しなくてよい)

  • 戸籍を集めたけど読むのが大変…
  • 特に古い戸籍は手書き(筆)で書かれていたりして…

ということも珍しくありません。

「相続人を特定する」ということはとても重要なことで、相続人の範囲が間違っていると、そもそも遺産分割協議が無効になりかねません。

  • 「自分はいわゆる婿養子だから相続人だ」と思っていたが、被相続人と養子縁組をしているわけではなかったため、実は相続人ではなかった…
  • 婚姻・離婚、養子縁組・離縁を繰り返しており複雑だ…

といったケースもありますので、相続関係は戸籍からしっかり確認する必要があります。


4.登記識別情報通知(いわゆる権利証)の整理・保管

  • あまり話題になりませんが、これは意外と重要だと思います。
  • 相続登記をすると、不動産1つごと、権利者1人ごとに、登記識別情報という従来の権利証にあたる情報が通知されます。
  • 登記識別情報は、このような状態で交付されます。

登記識別情報通知サンプル

※とても重要で二度と再発行されない貴重な書類です。

  • 小さな書類ですので、慣れない相続手続でバタバタしているなかで、書類の束に混ざってしまえば、どこに保管したのかわからなくなる可能性があります。
  • 司法書士に依頼された場合、冊子の形に整え、紛失した場合のリスクなどについてご説明差上げたうえで、大事なものだと一目でわかる状態にしてお渡ししますので、紛失するリスクは随分と抑えられると思います。
  • また、当事務所では、必要に応じて物件一覧(その冊子にどの不動産の権利証が含まれているのかの一覧表)を作成してお渡ししていますので、特に物件数が多い事案では喜ばれています。


5.複数の管轄(他県など)の不動産についてまとめて依頼できる

  • 法務局には管轄があり、管轄内の不動産についてしか登記を受け付けてくれません。
  • 例えば、米子市内の不動産と、安来市内の不動産を同時に相続したとしても、登記手続きは、鳥取地方法務局米子支局と松江地方法務局へ、それぞれ行う必要がありますので注意が必要です。
    つまり、上記の例でいうと、2件分の登記申請の準備が必要になるということです。
  • このようなケースは司法書士にご依頼されることをお勧めします。


6.世間話等により不安や疑問が解消されることがある

  • これはほぼオマケのような位置づけですが、親族関係が複雑な場合に、相続関係の確認のためこれまでの経緯などを伺っていると、相談者様がずっと気にされていたことや今後不安に感じておられることをお話くださる場合があります。
  • 時間を頂戴してお調べするなどして出来る限り回答しておりますので、「今のうちに知っててよかった」といって将来の問題を回避された方もおられます。