自筆証書遺言の方式の緩和

民法(相続法)改正のうちの第一段階。
①2019年1月13日施行 民法のうち、自筆証書遺言の様式の緩和に関する規定
②2019年7月 1日施行 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(全般)
③2020年4月 1日施行 民法のうち、配偶者居住権の新設等に関する規定


※平成31年(2019年)1月13日より前に作成された自筆証書遺言については、なお従前の例によることとされたため、平成31年(2019年)1月13日より前に作成された自筆証書遺言については、相続開始日が平成31年(2019年)1月13日よりあとだったとしても、全文(※目録を含む)・日付・氏名が全て自書されていないと無効となるため注意が必要!


民法968条2項の新設、3項の改正による自筆証書遺言の方式の緩和。

  • 民法968条1項(変更なし)
    • 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
  • 2項(新設)
    • 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同行に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合に会っては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
  • 3項(2項から移項・一部改正)
    • 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

(概要)
遺言書本文に相続財産目録を添付する場合、目録については自書によらなくても印刷物(別紙形式の通帳や登記事項証明書のコピー)や第三者の代筆でもOKとなった。
ただし、目録・別紙のすべてのページごと遺言者が署名押印(住所不要)する必要あり。

訂正(加除その他の変更)方法については、遺言書本文も目録も同じ。
(①変更箇所を指示、②変更した旨を付記+署名、③変更箇所に押印)

(訂正例)

第一 ○○
第二 ○○
第三 ○○ △△㊞(←③押印)

上記第三項中(←①指示)二字削除二字追加(←②付記)
法務五郎(←②署名)