浪費癖があれば成年後見制度を利用できるか?
Q:一人暮らしの父に浪費癖があって困っています。私は結婚して家をでていますし、いろいろ事情もあって父とはかかわりたくありません。成年後見人を選任すれば財産を管理してもらえると聞いたのですが?
A:単なる浪費癖を理由として成年後見精度を利用するのは難しいと思われます。ただし、認知症、知的障害などの精神上の障害を理由とする場合であれば、成年後見制度の利用を検討する余地があります。
コメント
認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々にとって、自分自身だけの力では、不動産や預貯金などの財産を管理したり、福祉サービスを選択して利用していくことが難しい場合があります。
また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。
このような方々を保護し,自己実現・意思決定を支援していくのが成年後見制度です。
成年後見制度の対象は、「精神上の障害を理由とする判断能力の低下」です。
ですので、判断能力はしっかりしているけど身体障害があってお金の管理が大変だから成年後見人をつけて欲しい、というような場合には成年後見制度が利用できないのが現状です。
(別途ご自身で財産管理契約を結ぶなどの対応は可能です。)
よって、単なる浪費癖を理由として成年後見人を選任することは難しいかもしれませんが、それが「精神上の障害」を理由とするものだと判断されれば、成年後見制度の利用も検討しうるところです。
とても判断の難しいところですのでご相談いただければと思います。