はじめに

相続は、人生でそう何度も経験することではありません。
それ故に、不慣れで大変な思いをされておられる方が少なくありません。
「登記」という単語を初めて聞いた方もおられると思います。
そんな方々の負担を少しでも減らして差し上げたいという気持ちがあります。

また、相続登記を先延ばしにしたせいで、次の世代に持ち越された結果、次の世代の方が非常に苦労されておられるケースが多々みられます。

そのような事態に陥らないように、適切な時期に相続手続を終えていただくことが、将来の問題の予防(予防法務)だと考え、相続関係業務に積極的に取り組んでいます。

 司法書士 圓岡賢太郎


相続登記ってなに?

相続(=人の死亡)をきっかけに不動産の所有権が移転したことを登記記録に反映させる手続きのことです。
不動産登記法上の用語では、「相続を登記原因とする所有権移転登記」という表現が正確ですが、一般的には「相続登記」と省略して呼ばれています。




相続登記って必ずしないといけないの?いつまでにしないといけないの?

今のところ、相続登記を義務付ける法律はありません。
従って、相続登記の申請期限のようなものもありません。
よって、登記手続きを行うかどうかは相続人の皆様の自由です。

しかし、相続登記が何世代にも渡ってなされなかったことが、津波などの大災害による復興の妨げになったことから、現在は法務省が相続登記を積極的に推進しています。

また、相続登記をしないまま長く放置すると様々なリスクが発生するため、当事務所では適切な時期に相続登記を済ませておくことを強くお勧めしています。




相続登記ってお金がかかるの?

ある程度の費用が必ず必要になります。
最低でも、次のような費用が必要になると思います。

  • 事前調査のための登記事項証明書発行手数料
  • 戸籍、住民票、印鑑証明書などの諸証明発行手数料
  • 登録免許税(固定資産評価額の0.4%)

このほか、司法書士に依頼する場合は別途司法書士報酬が必要になります。




相続登記の手続きはどうやって進めるの?

おおむね次のようなイメージで理解していただければよいと思います。

  • 遺言がない場合⇒1又は2へ
  • 遺言がある場合⇒3へ

1.法定相続分による場合

法定相続割合に従って、「○分の1(住所氏名)、○分の1(住所氏名)…」といった具合に相続人全員が登記されます。
この場合、遺産分割協議を行わないため遺産分割協議書などは必要ありませんが、共有状態になると、その後の権利関係が複雑になったり、処分が難しくなったりしますので、一般的にこのようにすることは少なく、多くの場合は2へ進みます。


2.遺産分割協議を行う場合

法定相続人全員により遺産分割協議を行い、相続人のうちのどなたかお一人が相続するやり方で、最も一般的です。
遺産分割協議書を作成し、各相続人が署名押印(※実印)し、印鑑証明書を添付する必要がありますので、相続人同士の書面のやりとりや印鑑登録など様々な事務が発生する場面です。

ご注意

  • ご相談を受ける際に、遺産分割協議を指して「他の兄弟姉妹は相続を放棄した」と表現する方が多いですが、法律用語としての「相続放棄」とは異なります。
  • 遺産分割協議により財産の権利を他の相続人に譲ったとしても、法定相続人である地位そのものはなくなりません。
  • 負債があったり親族関係が難しい場合に、「そもそも法定相続人であることから離脱したい」という場合は、一定の期間内に家庭裁判所へ相続放棄の申述を行う必要がありますので、ご注意ください。


3.遺言による場合

  

遺言がある場合、遺言者の死亡と同時に、遺言の内容に従って権利が移転しますので、基本的には、権利を取得された方(受遺者)が登記手続きを行うことになります。
ただし、遺言に記載された文言や遺言で遺言執行者が指定されているかどうかなどにより、具体的な手続(必要書類や費用、手続きに関与する必要がある方の範囲)が異なりますのでご注意ください。
ご不明な点は、遺言を持参のうえご相談いただきますようお願い致します。