贈与登記に関する基礎知識

ご相談をお受けしていて、「相続」や「贈与」という単語は、よく使われる割にあまりきちんと区別されていない印象を受けます。

「贈与」とは、要は、「タダで財産をあげる」という契約を結ぶことです(財産なら不動産に限られません)。
契約を結ぶということは、生きている人が自分の意思で相手方と約束するということです。
あげる人を「贈与者」、もらう人を「受贈者」と呼びます。

この点、「相続」は、人が死亡したことにより、民法に定められたルールに従って自動的に財産が承継されていくことです。

細かな違いは多々ありますが、概ねこのような理解でよいと思います。


贈与登記ってなに?

「贈与」(人と人との契約)をきっかけに不動産の所有権が移転したことを登記記録に反映させる手続きのことです。
不動産登記法上の用語では、「贈与を登記原因とする所有権移転登記」という表現が正確ですが、一般的には「贈与登記」と省略して呼ばれています。


「タダ」ではない税金にご注意を

「贈与=タダであげる」ということで、贈与によれば、代金を支払うことなく不動産の権利を手に入れることができます。

しかし、不動産の対価として支払うお金はゼロであっても、不動産の権利が移転したことに伴う税金がかかることに注意が必要です。

そして、相続の場合と比較すると、生前に贈与によって不動産を移転すると、相続を待った場合よりも税金が多くかかる仕組みになっていることが分かると思います。

贈与の場合

受贈者(不動産をもらう人)に課税される可能性のある税金

税金の種類内  容
贈与税国税。不動産取得後の1回のみ(確定申告が必要)。
贈与額に従って税率が変わります。
⇒贈与税の税率(国税庁HP)
様々な特例がありますのでよくご確認ください。
⇒相続時精算課税制度(国税庁HP)
不動産取得税県税。不動産取得後の1回のみ。最大で固定資産評価額の4%程度。
⇒不動産取得税(鳥取県西部県税事務所HP)
特例もありますのでよくご確認ください。
⇒住宅及び住宅用土地に関する特例(鳥取県西部県税事務所HP)
登録免許税国税。登記申請時の1回のみ。固定資産評価額×20/1000(2%)。


相続の場合

相続人に課税される可能性のある税金

税金の種類内  容
相続税国税。遺産の総額が基礎控除額を下回る場合は非課税。
⇒相続税の計算(国税庁HP)
不動産取得税県税。相続の場合は非課税(※更新時現在)。
⇒不動産取得税(鳥取県西部県税事務所HP)
登録免許税国税。登記申請時の1回のみ。固定資産評価額×4/1000(0.4%)



このような事情から、当事務所では、贈与税がかからない、又はかかっても支払うことができる場合や、相続時精算課税制度の利用が可能な場合など、受贈者の方が税負担を検討して納得している場合にのみ、贈与登記を受任しております。

贈与登記をご検討の場合は、あらかじめ税務署や県税事務所へご相談されることをお勧めします。